丹沢は、神奈川県北西部に広がり、県土面積の約6分の1を占める40,000ヘクタールあまりの一大山塊です。都心からは西に約50キロメートルという近さにあり、富士山の東側に位置しています。南北20キロメートル 、東西40キロメートルの範囲には、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(標高1,673メートル)をはじめ、丹沢山、檜洞丸など1,500メートルを超える山々が9座あり「神奈川の屋根」とも呼ばれています。
急峻な地形のため深い渓谷や大小さまざまな滝を多く擁し、ブナやモミの原生林があり、ツキノワグマやカモシカなどの大型野生動物が棲息するなど、都市に近いにもかかわらず、豊かな自然が残されています。また、約920万人もの神奈川県民を支える水源地として重要な役割を担っています。
1960年に「県立丹沢大山自然公園 Kanagawa Prefectural Nature Park」に、1965年には「丹沢大山国定公園 Tanzawa-Oyama Quasi-national Park」に指定され、稜線部などの約1,867ヘクタールは特別保護地区として、動植物が厳重に保護されています。
しかし、近年、稜線部を中心としたブナの立ち枯れや、林内の下草の減少、土壌の流出、過密化したニホンジカによる生態系への影響、外来種の侵入、登山やレジャーなどのオーバーユース(過剰利用)などの問題が懸念されるようになり、保全対策事業が行われています。
動物 | ||||
脊椎動物 | ||||
哺乳類 47種 |
鳥類 158種 |
は虫類 15種 |
両生類 13種 |
魚類 24種 |
節足動物 | ||||
昆虫類 7779種 |
ムカデ類 46種 |
ヤスデ類 39種 |
クモ類 431 種 |
ダニ類 (ササラダニ類) 117種 |
植物 | |
維管束植物(種子植物・シダ植物) | |
1673種 | |
コケ植物 | 地衣類 |
452種 | 158種 |
出典:鳥類、は虫類、両生類、ムカデ類、ヤスデ類は、丹沢大山自然環境総合調査報告書 丹沢山地動植物目録(1997)
その他は、丹沢大山総合調査学術報告書 丹沢大山動植物目録(2007)
※その後に確認された種を含む。
神奈川県自然環境保全センター
(丹沢大山国定公園・県立丹沢大山自然公園を管理)
厚木市七沢657 電話046-248-6682(代)