「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が流行し、山陽新幹線の岡山駅-博多駅間が開業、プロ野球では広島カープがセ・リーグ初優勝を果たし、高校野球では東海大相模高校の原辰徳選手が大活躍した1975年、財団法人神奈川県公園協会が誕生した。
当時の公園行政は公園の量的拡大と施設整備に重きが置かれていたが、整備が進むにつれ、公園における利用者へのサービス向上、特にプールなどにおける安全管理が課題となっていた。これらの課題に対応し、また、質の高い公園の管理運営を目指して、公園協会が設立された。
最初の業務は「保土ケ谷公園体育館」の清掃、夏からは「三ツ池公園」「保土ケ谷公園」「辻堂海浜公園」「篠原園地」のプール管理も含めて、県から受託した。
管理施設 1984年(昭和59年)時点 | ||
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一部管理受託 | 都市公園6 園地1 | |
プール管理受託 | 都市公園2 |
財団法人神奈川県公園協会設立
「保土ケ谷公園体育館」の清掃受託、「三ツ池公園」「保土ケ谷公園」「辻堂海浜公園」「篠原園地」のプール管理受託
「観音崎公園」開園
恩賜箱根公園旧御殿休憩所の管理受託(1992年閉館)
「東高根森林公園」開園
「相模原公園」開園
1986年末から1991年にかけてバブル景気が訪れる。好景気の中、多くの施設が造られオープンした。
また、1992年には相模原市で「第9回全国都市緑化かながわフェア」(グリーンウェーブ・相模原92)が開催された。
自然とのふれあいニーズの高まりを受け、1993年には自然生態観察公園として座間谷戸山公園が開園した。
管理施設 1994年(平成6年)時点 | ||
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条例による管理受託 | 都市公園8 | |
一部管理受託 | 都市公園5 園地1 | |
管理受託 | 自然公園施設2 | |
プール管理受託 | 都市公園2 |
三ツ池公園「緑陰文庫」の管理受託(1996年閉館)
保土ケ谷公園軟式テニスコート脇にオートテニス場オープン
「宮ヶ瀬ビジターセンター」オープン
「大磯城山公園」開園
「七沢森林公園」「四季の森公園」開園
大磯城山公園内に大磯町郷土資料館オープン
中国遼寧省との友好提携5周年を記念し三ツ池公園内に「馬超龍雀」像設置
陣馬自然公園センターオープン
七沢森林公園「森の民話館」オープン
観音崎公園「ビジターセンター」「観音崎自然博物館(建替え)」オープン
辻堂海浜公園「交通公園(再整備)」開園
大磯城山公園茶室「城山庵」オープン
七沢森林公園「森のアトリエ」オープン
(財)神奈川県自然公園協会設立
辻堂海浜公園に「交通展示館」オープン
辻堂海浜公園に「ジャンボプール」オープン
保土ケ谷公園「かながわアートホール」オープン
恩賜箱根公園「湖畔展望館」オープン
相模原公園に「かながわグリーンハウス」が緑化フェア県テーマ館としてオープン
相模原市で「第9回全国都市緑化かながわフェア」(グリーンウェーブ・相模原92)相模原公園ほかで開催
相模原公園に「緑の相談所」オープン
座間谷戸山公園開園
三ツ池公園内「コリア庭園」オープン
1998年はスポーツが熱い1年であった。冬季長野オリンピック・パラリンピックに始まり、夏の甲子園決勝で横浜高校 松坂大輔選手がノーヒット・ノーランを達成し、プロ野球では横浜ベイスターズが38年振りに日本一に輝いた。神奈川県では第53回国民体育大会「かながわ・ゆめ国体」が開催され、保土ケ谷公園、秦野戸川公園、相模湖公園が競技会場として使われた。保土ケ谷公園では、第34回全国身体障害者スポーツ大会「かながわ・ゆめ大会」も開催されている。これらの大会に先駆け、1996年から1997年にかけて保土ケ谷公園野球場が改築、1997年には秦野戸川公園と山岳スポーツセンターがオープンしている。
管理施設 2004年(平成16年)時点 | ||
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条例による管理受託 | 都市公園19 | |
一部管理受託 | 都市公園2 園地1 | |
管理受託 | 都市公園1 スポーツ施設1 自然公園施設5 | |
プール管理受託 | 都市公園1 |
(財)神奈川県自然公園協会が解散し、(財)神奈川県公園協会と統合
津久井湖園地、地域拡大により「津久井湖城山公園」に改称
「丹沢湖ビジターセンター」オープン
保土ケ谷公園野球場(改築後)オープン
湘南サーフビレッジオープン
「秦野戸川公園」「はやま三ヶ岡山緑地」開園
座間谷戸山公園里山体験館オープン
「秦野ビジターセンター」「山岳スポーツセンター」オープン
第53回国民体育大会「かながわ・ゆめ国体」の競技会場として、保土ケ谷公園、秦野戸川公園、相模湖公園使用
保土ケ谷公園で第34回全国身体障害者スポーツ大会「かながわ・ゆめ大会」開催
「秦野戸川公園」茶室オープン
津久井湖城山公園「水といこいのゾーン」開園
秦野戸川公園少年野球場オープン
辻堂海浜公園「しょうなんの森」開園
「茅ケ崎里山公園」開園
「あいかわ公園」開園
FIFAワールドカップ日韓大会が開催(保土ケ谷公園サッカー場をドイツチームが練習場として使用)
秦野戸川公園「バーベキュー場」オープン
地方自治法の一部改正により公の施設(都市公園等)の管理に「指定管理者制度」導入
「座間谷戸山公園」パークセンターオープン
第14回全国みどりの愛護のつどいにて、観音崎公園フィールドレンジャーが功労者国土交通大臣表彰される
相模三川公園開園
湘南海岸公園内に「新江ノ島水族館」「なぎさの体験学習館」オープン
2006年、公園協会にとって大きな転機が訪れる。県立都市公園への指定管理者制度の導入である。従前の条例による管理委託制度では、委託先が公共団体、公共的団体、出資法人に限定されていたが、指定管理者制度では、株式会社や公益法人、NPO、任意団体なども可能となり、県立都市公園では公募による競争を経て、指定管理者が決まることとなった。この結果、いくつかの公園が公園協会の手を離れることとなり、公園協会としても組織をスリム化するなど、より一層の効率的な法人運営が必要となった。
また、公園管理においても、植物や施設の維持管理だけでなく、利用促進や市民協働によるパークマネジメント・エリアマネジメント等、多様な運営管理が求められる時代となった。公園協会でも地域協働によるイベント開催を進め、2007年には辻堂海浜公園を代表する夏の盆踊りイベント「第1回辻の盆」が開催された。また、公園の里山保全活動などを市民協働で行う「茅ケ崎里山公園倶楽部」の活動が評価され、2014年 第25回全国みどりの愛護のつどいで感謝状が授与された。
2007年頃からひこにゃんが火付け役とされる「ゆるキャラ」ブームが巻き起こり、翌2008年には公園協会マスコット「coちゃんenちゃん」が誕生する。盟友である境川遊水地公園マスコット「シラサギのユウちゃん」と共にゆるキャラ戦国時代を生き抜き、今も根強い人気がある。
2011年の東日本大震災以降は公園における防災機能が重要視され、翌2012年には湘南海岸公園に津波避難タワーが設置された。
管理施設 2014年(平成26年)時点 | ||
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指定管理 | 都市公園16 スポーツ施設1 | |
管理受託 | 都市公園1 自然公園施設5 |
「宮ヶ瀬ビジターセンター」リニューアルオープン
「おだわら諏訪の原公園」開園
県立都市公園に指定管理者制度が導入される
相模原公園「ドッグラン」オープン
三ツ池公園「パークセンター」オープン
「ユーシンロッジ」管理受託(2007年より施設運営休止中)
「かながわパークナビ」発刊
「境川遊水地公園」開園
茅ケ崎里山公園「パークセンター」オープン
「いせはら塔の山緑地公園」開園
茅ケ崎里山公園「谷の家」オープン
「花とみどりのフォトコンテスト」開始
協会マスコット「coちゃんenちゃん」誕生
旧吉田茂邸より出火、本邸約300坪全焼
保土ケ谷公園ギャラリー横に飲食サービスコーナーをオープン
境川遊水地公園「多目的グラウンド、テニスコート」オープン
第61回全国植樹祭を秦野戸川公園にて開催
公園協会が公益財団法人に移行
保土ケ谷公園「プール」リニューアルオープン
茅ケ崎里山公園「里の家」オープン
湘南海岸公園に「津波避難タワー」がオープン
相模三川公園「パークゴルフ場」オープン
大磯城山公園「旧吉田茂邸地区」一部開園
大涌谷バス専用駐車場オープン
いせはら塔の山緑地公園「パークセンター」オープン
「地域緑化活動支援事業」(花苗の配布)の開始
津久井湖城山公園、茅ケ崎里山公園「バーベキュー場」オープン
第25回全国みどりの愛護のつどいにて、茅ケ崎里山公園倶楽部が功労者国土交通大臣表彰される
2015年9月に国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、国内でもSDGsが注目される中、公園協会は2017年のエコプロに出展し、公園での活動をSDGsに関連付けて紹介。翌年には公園協会SDGs宣言を出し、SDGsの実現に向けて資産積立を開始、公園におけるSDGsを推進している。
2020年から新型コロナウイルス「COVID-19」が流行。感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、県立公園においても一部の有料施設や駐車場の利用休止、イベント中止等の対応がされた。
新型コロナウイルス流行の影響で2021年に延期された東京2020オリンピックでは、スポーツクライミングが新競技として採用された。オリンピックに先駆け、秦野戸川公園内に「はだの丹沢クライミングパーク」が、山岳スポーツセンター内にはスピードウォールがオープンした。
コロナ禍を経て、公園が人々の心身の健康に不可欠な存在であることがあらためて認識されるなど、地域社会における公園の役割は益々大きくなってきている。こうした中、公園協会としても、次の50年に向けて、公園の価値を更に高められるよう、一層の努力を重ねていく。
管理施設 2023年(令和5年)時点 | ||
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指定管理 | 都市公園18 スポーツ施設2 自然公園施設2 | |
管理受託 | 都市公園1 | |
一部管理受託 | 明治記念大磯邸園 |
丹沢湖ビジターセンター、陣馬自然公園センター閉館
気象庁が箱根山火山噴火警戒レベルを引き上げ、大涌谷園地への立入が規制される
宮ヶ瀬ビジターセンター閉館
境川遊水地公園「今田管理センター」オープン
エコプロ出展
相模原公園「グリーンアーカイブス」オープン
大磯城山公園旧吉田茂邸地区旧吉田茂邸(大磯町郷土資料館別館)オープン
県立のビジターセンター(秦野、西丹沢)に指定管理者制度が導入される
茅ケ崎里山公園「キッチン里山」オープン
SDGs推進事業の資産積立開始
気象庁が箱根山火山噴火警戒レベルを引き上げ。大涌谷園地への立入が規制される。
境川遊水地公園「今田遊水地」開園
恩賜箱根公園と近隣の皇室ゆかりの庭園が連携した取組が、国土交通省が創設したガーデンツーリズム登録制度に登録
国の「明治記念大磯邸園の企画運営業務」の受託
観音崎公園にPark-PFI事業によるバーベキュー施設オープン
(運営団体:BEACH⇔PARK LIVING 共同事業体)
はだの丹沢クライミングパーク供用開始
山岳スポーツセンターのスピードウオール供用開始
保土ケ谷公園「サッカー場」東京オリンピック競技大会「サッカー競技」の公式練習場として使用
大涌谷自然研究路が引率入場方式により再開
SDGs積立資産を活用して相模三川公園にキッズスペースを整備
(公財)神奈川県公園協会50周年記念サイト開設
(公財)神奈川県公園協会 設立50年(3月20日)