持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取組
SDGsとは
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。
持続可能な開発目標(SDGs)について【外務省ホームページ】 |
(公財)神奈川県公園協会 SDGs宣言
(公財)神奈川県公園協会は、その目的と経営理念のもと、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(公財)神奈川県公園協会は、みどり・環境の保全と創造に関する普及啓発や都市公園及び自然公園施設等の適切な管理運営とその利用を促進し、地域社会の健全な発展に寄与することを目的とした団体です。
(公財)神奈川県公園協会は、都市緑化及び自然環境保全に関する神奈川県内におけるリーダー役として、「県民の健康」と「県民のやすらぎの場となる快適な生活空間を創造」し、地域社会に常に信頼される公園経営を実践することを経営理念としており、SDGsに取り組むことは、法人の目的及び経営理念に資するものです。
公園は、年齢、性別、障がいの有無等に関わらず、多様な人々が利用する憩いの場であるとともに、環境保全や防災などの面でも重要な場となっています。こうした公園の特性を活かし、公園利用者の皆様にSDGsを知っていただく機会を設け、SDGs推進の機運を高めていきます。
SDGsの17ゴールのうち、ゴール11は、「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」ことを目標にしています。
この目標の下、公園の管理運営にあたり特に重要なターゲットとなる「ターゲット11.7」が示されています。
<ターゲット11.7>
「2030年までに、女性、子ども、高齢者および障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。」
SDGsの達成に向けた(公財)神奈川県公園協会の取組
1 都市公園及び自然公園施設の管理運営事業におけるSDGsの取組
1 すべての人が安全・安心にすごせる公園管理
- 質の高い公園管理
- すべての人が安全・安心にすごせる公園とするため、日常的な管理に加え、一斉点検を定期的に実施し、ハザード(事故につながる危険性)の除去に努め、園路やベンチ、遊具、グラウンドなどの公園施設を適切に管理しています。
- ユニバーサルデザイン
- 公園での車椅子貸出し、バリアフリーマップの配布、手話、筆談への取組など、誰もが安心して利用できる公園管理を進めています。
- 子育て支援
- 公園内の授乳スペース設置の推進、親子で楽しめるイベントを充実させる等、子育てしやすい社会づくりに貢献しています。
- ゴミゼロアクセス
- 公園内だけでなく、公園周辺の清掃活動を実施し地域に愛される公園管理を行っています。
- 防犯の取組
- 職員による毎日の園内巡視、来園者への明るい声かけ、不適正利用を誘発するおそれのある死角解消のための植栽管理や清潔な園内環境の維持に加え、日頃から地元警察や周辺住民の皆様との交流を密にし、防犯に努めています。
秦野戸川公園 |
津久井湖城山公園 |
2 防災拠点としての公園管理
- 大規模自然災害への備え
- 周辺住民や帰宅困難者の方々の一時避難場所となることを想定し、非常食や間伐材を活用した木炭燃料、災害用トイレキットなどを備蓄しています。 また海岸線に近い公園では津波避難場所へのルートを掲示し迅速な避難が行えるようにしています。 さらに、地域と連携した防災訓練の実施、救命講習を受講した職員の配置や参集訓練、園内の主要施設へのAED配置などにより、災害への備えを強化し防災機能向上に努めています。
- 気象関連災害への対応
- 気象警報発表時には園内パトロールを実施し迅速な復旧対応をするとともに、危険箇所の利用制限など二次災害の発生抑止に努めています。
地域と連携した防災訓練(茅ケ崎里山公園) |
3 生物多様性の保全
- 生物多様性保全に配慮した公園管理
- 園内に生息する野生動植物のモニタリング調査を実施し、これを踏まえた維持管理を行っています。具体的には、希少種の生息エリアの保全や盗掘防止、昆虫類に配慮した草地の高刈り、園内ビオトープの適正管理、外来生物の防除などに取り組んでいます。
- 環境教育の推進
- 都市公園では草花や野鳥の観察会、畑や間伐作業などの里山体験プログラムを地域のNPOや市民団体の皆様と協働して行い、身近な自然の大切さを伝えています。 自然公園においては、丹沢の水源林としての機能を伝える観察会を実施しているほか、丹沢・箱根両地域において県内に残る大自然の貴重さや保護の必要性を伝える展示や観察会を行政や市民団体の皆様と連携して行っています。
自然観察会(相模原公園) |
丹沢での自然教室(秦野ビジターセンター) |
4 県民の健康増進のための取組
- 健康器具の配備
- 公園を楽しみながら未病の改善を進められるよう、各公園に血圧計などの健康器具を配備しています。
- 健康増進プログラム
- 公園を利用して健康な体づくりに取り組めるよう、グラウンドや広場でのスポーツイベントや、自然環境を生かしたノルディックウォーク体験会などを実施するほか、日常的なウォーキングやジョギングの手助けとなるキロポストの設置等をしています。 また、辻堂海浜公園では、障がいの有無や年齢に関係なく誰もが一緒に楽しめるプログラムとして、「ユニバーサルカヌー」体験を公益法人やNPOと連携して実施しています。
- 交流の場づくり
- 園内のボランティアや市民団体の皆様などと協働して、公園管理を行うことで、健康的な暮らしに欠かせない「社会参加の場」として、公園周辺の様々な人が交流し、生きがいを持てる場を提供しています。
子どもラグビー大会(保土ヶ谷公園) |
ユニバーサルカヌー(辻堂海浜公園) |
5 地球環境に配慮した公園管理の実践
- 発生材の活用
- 間伐や草刈で発生した材は、ベンチや園路の補修に使うほか、堆肥化、炭化して防災備蓄やバーベキュー場で利用するなど、発生材の再利用に努めています。また、植物管理で発生した花や枝葉を原料として染めたハンカチ等を公園の資源リサイクルPRに活用しています。
- 再生可能エネルギーの活用
- 太陽光発電やチップボイラーを活用した公園施設の管理など再生可能エネルギーの積極的な利用に努めています。
- CO2削減に向けた公園管理
- 公園で使用する作業車両に電気自動車を導入するほか、施設照明のLED化、駐車場内でのアイドリングストップ呼びかけ、グリーンカーテンの活用などを行い、CO2排出の抑制に取り組んでいます。また、再エネ電力への切替えを行ったことにより「かながわ再エネ電力利用事業者」として神奈川県から認定企業として認定書の交付を受けました(認定番号92~110)。
- グリーン購入
- コピー用紙やラインパウダーなど事業に必要な物品の購入にあたっては環境負荷軽減が図られたものとする等、環境に配慮した物品調達を行っています。
間伐材の炭焼き(七沢森林公園) |
作業用の電気自動車(恩賜箱根公園) |
6 学びの場としての公園
- 誰もが気軽に参加できる学びの場の提供
- 子どもの学びの場として、自然観察会や農業体験会、クラフト教室などを行うほか、公園の利用マナーを子どもの目線でつたえる利用指導を行っています。また、遠足や部活動など、学校教育の場としても活用いただいています。生涯学習の場としては、写真や手芸教室、ガーデニングや郷土史講座など、様々なニーズに応えられるよう、各公園の特性に応じた様々な講座を開催しています。
- 学習効果を高める展示
- 都市公園内の展示施設や丹沢のビジターセンターにおいて、地域の自然や歴史を伝える展示を行っています。展示物を実際に手に触れられ体験できる「ハンズオン」を取り入れるなど、学びの効果向上に努めています。都市公園の園路上などにおいても、解説板など自然への感心が深まるサインを充実させています。
- グリーンアーカイブス
- 県内の都市公園や都市緑化に関する資料を収集・展示する「グリーンアーカイブス」事業を相模原公園にて行っています。資料の一部は「緑の図書室」として広く公開しています。
- SDGsを学ぶ場の設置
- 地球環境問題や防災に関する講座等を開催し、SDGsへの理解を深める場を設けます。
丹沢に関するレクチャー(秦野ビジターセンター) |
田植え体験(座間谷戸山公園) |
7 地域との協働による公園管理
- パートナーシップ
- 都市公園では自治体・市民団体・ボランティアの皆様と協働した公園管理やイベントの実施を推進しています。自然公園では、荒廃した山域の自然再生や自然環境に関する情報の集積を自治体や市民団体の皆様と連携して取り組んでいます。都市・自然公園共に、大学等の研究活動、企業CSR活動の受入れを促進し、様々な立場の人や組織との繋がりを築いています。
- 市民参加型の公園管理
- 公園内で活動されている市民団体の皆様と意見交換の場を設け、共に里山の保全等に取り組むなど、市民参加型公園管理を実践しています。また、利用される方々からのアンケートやご意見は真摯に受けとめ、事業の改善を行っています。
ボランティアによる里山管理(茅ケ崎里山公園) |
地域と連携したお祭り(辻堂海浜公園) |
2「みどり推進事業」におけるSDGsの取組
- 地域緑化推進
- 県内の社会福祉法人・生産農家と協働した花苗生産を行い、公園での活用のほか、学校や自治体で活動するボランティア団体への配布を行っています。また、地域の顔となる駅周辺などのエリアで、地元自治体等と連携して地域緑化に取り組みます。
- フォトコンテスト
- 市民から広く作品を募る「花とみどりのフォトコンテスト」を開催し、都市公園及び自然公園の魅力を多くの方に発信しています。
- グリーンエンジョイ
- 県内の花壇ボランティアの方々を対象に先進的な事例を学ぶ研修会を実施し、緑化に関するスキルアップと関係団体の交流を促進します。
- みどりのまちづくり推進講座
- 地域で都市緑化を実践するための知識や技術の普及を図る「みどりのまちづくり推進講座」をNPO法人と協働で開催しています。
- 緑の相談所
- 県立都市公園唯一の都市緑化植物園になっている相模原公園において「緑の相談所」を運営し、園芸や緑化に関する相談に対応しています。
グリーンエンジョイ |
フォトコンテスト写真展 |
3 協会運営におけるSDGsの取組
- 労働環境の整備
- 働きやすい労働環境を整備しワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいます。コンプライアンス要綱及びガイドラインに基づいた労働時間の短縮、労働災害の撲滅、ハラスメント対策を図るほか、人材教育や職員の健康増進に取組むなど、職員がいきいきと働ける職場づくりに取り組んでいます。
- 障がい者雇用
- 障がい者雇用の促進はもとより、障がい者就労施設への積極的な業務発注に努め、地域の障がい者支援施設の施設外就労を支援しています。
- ジェンダー平等
- 意欲と能力のある女性の積極的登用のほか、男女を問わず育児休暇等の積極的な取得を職員に促し、男女共同参画の取組を進めています。
- 透明性の高い法人経営
- 「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」等に基づき、公益法人として透明性の高い法人経営を行っています。
- 地元産品販促
- 公園で実施するバーベキュー事業やイベント時の物品販売に地元産品を積極的に取り入れ、地域振興に寄与します。
苗を管理する職員(相模原公園) |