第16回 花とみどりのフォトコンテスト
入賞作品

大賞

「ボクもみたい」 茅ケ崎里山公園 久保 博美

田んぼの前で女性がリュックに犬を入れてヒガンバナを撮影している。犬はヒガンバナを見たそうにしている。

講評

身近な自然、田・畑・雑木林での体験を通して、里山の仕組みを理解する……茅ヶ崎里山公園から見える「田んぼ風景」。その実りの秋の美しさが、画面にあふれています。撮影技術が素晴らしいですね。
ヒガンバナの赤い列を流れるようなS字に配し、前景に撮影しようとしている女性と小犬の「親子」。中・遠景へと徐々にぼけてゆく先には案山子も。全体に明るいトーンが雰囲気をいっそう盛り上げています。



カメラ優秀賞

「初めての紅葉狩り」 相模原公園 高木 由希子

紅葉した木の下、落ち葉の上で幼児2人が座り込んで笑っている。

講評

落葉が敷き詰められた明るい木の間。管理された自然の中で、幼児たちも身近に秋を感じられる、公園ならではの何とも微笑ましい光景です。撮影時には腹這いになったのでしょうか、幼児達と同じ目線にカメラを据えるローポジションによる画面構成が秀逸。プラス、適度な前ぼけ・後ぼけが状況を過不足なく描写しています。さらに、的確なシャッタータイミングにより「カサカサした落葉の感覚が楽しい二人」の何ともいえない笑顔が得られました。



スマホ優秀賞

「いい気持ち」 四季の森公園 王 清惠

女の子が池の中に立って楽しそうに遊んでいる

講評

市街地にありながら豊かな自然や四季の花々、里山の風情を楽しめる四季の森。所々にある園内にある水場でのスナップショットでしょうか。タイトルどおり、水遊びの涼しげな様子が魅力的な画面です。何をしているのか分からないのはマイナスなのですが、動作の不思議さがそれを補ってプラス。画面全体の露出バランスの良さが光りますが、これはスマホならではという気がします。デジカメではどこかの描写が犠牲になりそうな状況での高画質が見事です。



全体講評

今年も昨年に比べて少し応募点数が減りました。昨年は「依然としてコロナ禍の影響があるのか、また異常ともいえる気候の変化、特に夏の暑さが撮影の機会や意欲を奪ったのかとおもったが、無用の心配」と記しましたが、夏の酷暑の影響は確かにありそうです。内容としては、定番物、定番公園で視点を変えた物、前回の入賞作品の被写体、まったく新しい被写体と、賑やかだったのですが……。
熱中症には気をつけていただきたいですが、気候の変化によって世の中が変わってくるということは、公園も変わる→被写体も変わるということでもあります。従来の常識、視点にとらわれない発想で写せるチャンスと前向きに撮影に挑戦していただければと思います。
今回も入賞と入選作品の差がわずかでした。
「フィナーレは華やかに」 津久井湖城山公園の「つくい湖湖上祭」の夜。地上のイベントと打上花火の同時写し込みにより、タイトルどおりに夏の華やかな一夜が表現されました。
「冬を装う」 数少ない絶妙の撮影日和をものにしています。応募範囲外である富士山を主題にするのではなく添景に。画面一杯に丹沢の霧氷を写し込んだ画面構成が見事です。
「朝の散歩」 色彩や後景のぼけを含め、鮮明に描写せずに雰囲気を描出。太陽を木の幹で隠しつつ、黄味がかった朝の逆光を生かして公園の一隅を爽やかに切り取っています。
「笠雲とサーファー」 湘南の海、サーファー、富士山、傘雲、青空と絵になる被写体のこれでもかという組み合わせですが、画面は簡潔明瞭。海岸公園の清々しさが描かれています。
「海街の朝日」 眺望のよい桜の名所、塚山公園の見晴台からの朝景。手前の桜から遠景の猿島、房総半島まで、望遠レンズによる圧縮された遠近感が風景を新鮮に見せています。

審査員 逸見仁(写真家)



入選





佳作







ジュニア賞



特別賞








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