第13回 花とみどりのフォトコンテスト
入賞作品

大賞

「斜面を彩るあじさい」
秦野戸川公園
伊藤 良一

講評

自然豊かな秦野戸川公園の魅力を、とてもよいタイミングで表現しています。アジサイはこれから満開という新鮮で美しい盛り、梅雨時らしいやわらかな光によって群落全体が優しく明るく描写されました。また、点景として小さく写しこんだ、花を愛でる二人の位置も絶妙。アジサイの斜面を斜め横から写してスケールを生かした画面に「はな」を添えています。



準大賞

「津久井に煌めく冬花火」
津久井湖城山公園
町野 正樹

講評

晩秋から初冬に、山中の公園で、湖上打ち上げ花火という珍しい「つくい湖 湖上祭」の雰囲気が余すところなく描かれています。 通常の撮影ではなく、比較明合成(ひかくめいごうせい)という手法によって何発もの花火が色鮮やかに写し止められ、夜空や地上は肉眼の感覚以上に明瞭に記録されました。誰も見たことのない花火の夜を見事に作り出しています。



スマホ大賞

「山紫水明」
四季の森公園
神谷 幹雄




全体講評

今年はコロナ禍が収束しない中でのコンテスト開催でしたが、応募点数はわずかに減ったものの、作品レベルは前回と同等かそれ以上でした。撮影の機会が減ったとはいえ、コンテストが中止になった昨年分と今年の分からの応募だったからでしょうか。収束後の来年は、より期待できそうです。
今回の大賞・準大賞は対照的な作品となりました。
大賞作品は、見た目の感覚に近い自然な描写が一番の魅力です。梅雨時の暗さを感じさせない明るくやわらかな光線状態、アジサイで埋め尽くされた斜面の傾斜感を生かしたフレーミング(切り取り方)、画竜点睛としての人物の配置など、あくまで穏やか。実景の雰囲気を過不足なく伝える見事な画面です。
準大賞作品は、打上花火を写したことのある人なら一目で分かる、撮影テクニックの塊です。夜景の中でも撮影が難しい花火の多重露出。オートでかなりの部分をこなせるカメラもありますが、いずれにしても面倒な撮影手順をふみ、撮影後のデータ調整も必要になります。実際には肉眼でも見られない「打上花火のイメージ」が見事に写真的に再現されています。
前回同様、撮影後にデータに手を入れた作品や、データの情報が十分にプリントに反映されていない作品が目につきました。本コンテストの性格上、極端なデータ操作は選外になるのは仕方がありませんが、不適切なプリントで落選してしまうのはいかにも残念です。データを再生するパソコンなどの環境や写真店への依頼法にもよりますが、もう少しデータの色調を正確にプリントできると作品の完成度が増すはずです。
スマホ部門は応募点数が増えました。傾向としては前回同様、スマホらしい臨場感を感じさせる作品と、本格的なカメラで写したような作品に二分化されつつあるようです。どちらも歓迎ですが、スマホでなければ写せないような、とっさのチャンスをとらえた作品を期待しています。

審査員 逸見仁(写真家)



入選





佳作








ジュニア賞



特別賞






スマホ部門





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